葛{古製氷冷凍工場  ●所在地/岩手県宮古市 ●魚類加工排水  ●竣工 1999.10月        
               ●処理槽有効容積193t ●流入日量50t ●設計・施工 東日本ジーラント
        

宮古湾に注ぐ清流・閉伊川の河口に立地する「宮冷」様
処理効率重視の排水装置 誕生!

 岩手県宮古市。宮古湾に注ぐ閉伊川(へいがわ)を始め、大小無数の河川水の流入が、魚貝類の成育に豊かな恵みを供給する。ここ、宮古市でも川や湾の水質保全のため、産業排水の放流規制が厳しくなっている。
 宮冷様の水産物の加工排水処理装置は、より処理効率を高めトータル建設コストを低く押さえるかが課題。装置は、グルンバエンジン活用「グルンバダイナミクス」と、新工法として排水を接触剤に強制的に接触・通過させる「完全接触酸化法」(パータッチと命名)を用いた。
 自然界の自浄作用を促す光合成菌や乳酸菌を活用する「発酵菌拡大培養装置」もシステムの重要ファクター。アイデアやノウハウが凝縮された排水処理装置が順調に稼動中だ。          
                          *「グルンバダイナミクス」「パータッチ」は、東日本ジーラントが開発のノウハウ愛称。 

【(株)宮古製氷冷凍工場  排水処理システム/概念図】
排水処理システム概念図

排水処理施設全景(河口側より) グルンバエンジン、MOP槽
完全接触酸化法 概念図   

発酵菌で処理能力大幅アップ》

 汚水中の有機物は、バクテリアの働きで発酵・分解され、水が浄化されるのである。
 その働きを最大限に発揮させるのが、光合成菌や乳酸菌などの発酵菌群。これを浄化システムに組み込むことで、装置の処理能力をさらに向上させる。
排水処理施設全景(河口側より) グルンバエンジン、MOP槽
オイルカット槽 発酵菌培養装置
オイルカット槽 発酵菌培養装置

2000. 6月 第1回メンテナンス報告
 槽内の接触材には、ほどよいSS分が付着していた。つまり、汚水中の有機物の捕捉効率が非常によいということが確認された。
 最終沈殿槽の底部にポンプを入れ、汚泥量を確認したが、ほとんど堆積・沈殿していなかった。
 ということは、槽内で汚泥の分解・消滅が顕著であるといえる。メンテナンスの大幅省略化とあわせて、維持管理費用の大幅低減も実現。
 放流水は透明な清浄水であったことを、ユーザー様と当社で共に確認できた。
最終沈殿槽のSS付着状態 放流水
最終沈殿槽のSS付着状態 放流水は清浄そのもの

2000.12月 第2回メンテナンス報告
 時期により取り扱う魚類は異なるが、このときはサケ加工が最盛期。
 サケ解体の際の血が、加工所の床に広がり、これが排水装置に流入。
 排水は、グリーストラップからMOP槽兼流量調整槽へ入る。この槽では排水が激しくグルンバ内を通過、あるいは曝気され、血液混じりの排水が見る間に変化していく。
 次の没有槽1では、見た目上はかなりの清浄水に変化、没有槽2ではさらに浄化していた。沈殿槽からの上澄水が閉伊川に注ぐが、その水は見違えるほど澄んでいた。
 各没有槽、沈殿槽の汚泥やスカムはごくわずか。今回のメンテナンス作業はほとんど不要であった。
作業場2000.12月メンテ時
作業所の床に流れる魚血
最終沈殿槽2000.12月メンテ時
最終沈殿槽のSS付着状態

ジーラントシステム施工例 |樹脂グルンバ

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